感 謝

大水 恒生
 妻淑子は、出生以来全く病気知らずの「元気印」そのものでした。常に物事を前向きに考え、人間は元気の中に経験・体験そして実行することであり、何事にも積極的に挑戦し、思いっきり楽しんで自分の物にして、それを友達等に分かち合う人、判断・企画・実行する人、旅人、花を愛し百名山等に挑戦中、足柄山の金時さん似、人並みの熟年夫婦初歩中等の彼女であったと思います。
 教職に奉職中は全く余裕が無かった日常生活でありましたが、退職後は心のよりどころの一つとして、平成六年の初夏に、日本絵手紙協会の小池邦夫先生、岡崎絵手紙の会の代表の岩田多恵子様、幸田絵手紙教室の伊藤敏子様の教えを乞う機会を得まして、精力的に描き続けた結果、多くのすばらしいお友達に巡り合うことができました。 楽しくそして温かい心を分かち合える大人の社会に感謝をしながら「バイクが止まった音がし、ポストにふたのパターンといる音が来信を告げてくれる。丁度賢い番犬のようだね」といって、いつもポストに気を配っていたようです。玄関には高さ三十センチ位のポストがインテリアとして飾ってあります。短い期間ではありましたが、身も心も絵手紙に陶酔していたことと思います。
 八カ月に亘るガンとの苦しい闘病生活中も、想い出深い地への泊まりの二人旅四回、豊田市での教室等、絵手紙の会例会、細川郵便局での三回目の展示会、ぐみ茶屋さんの展示会のお手伝い、高校の同級会、絵手紙の友達のこと等々を深く心に刻みながら、また色々な出来事に感謝しながら、平成十年十一月二十九日に享年六十一歳で生涯を閉じてしまいました。
 この度多くの皆様から、お言葉をいただきましたので、ここに彼女の四年間の作品二百二十四点を纏めてみました。どうか彼女との思い出等……ご高覧いただければ幸いと思っています。
 発刊に際しましては、絵手紙仲間の岩田多恵子様、伊藤敏子様、田中義臣様、鈴木弘子様、ぐみ茶屋の河村ふじ子様はじめ多くの方々の絶大なご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。 衷心から厚く御礼を申し上げます。
 彼女の絵手紙が、あなたの気持ちを和ませ、感動を与えてくれたことを信じるとともに、ご高覧いただきましたことに対し、心から感謝致します。
平成十二年十一月二十九日