北の大地に絵手紙の大輪が、人の心の暖かさが
愛知県岡崎市 大水淑子
 第二回絵手紙たなばた祭り(帯広市内にて)に初めて単身参加した。市内の中心にある藤丸デパートをメイン会場として、絵手紙展、講習会、小池先生の個展などが四日間にわたって開かれたもの。
 清崎先生の講習会では、楽しい絵手紙について、実物を示し説明して下さった。手品のように次々と楽しい手紙が……。みなさん、目が集中し、感嘆の声があがる。手に取って見る、カメラに撮る、熱心に絵を描きメモを取る、なごやかで楽しそうであった。
 渡邊先生の和紙作り。綿密な計画、大変な準備にただ感服である。和紙を愛し、絵手紙を愛し、人を愛する先生の心が、その口調からひしひしと伝わってきた。  広い会場に展示された数多くの絵手紙。北の大地の息吹きが、生活が、絵と文に満ち溢れている。絵手紙は自分史でもあるが、地方の生活史でもあると知った。展示方法も工夫され、手作りのぬくもりが随所で目をひく。
 津島さんを代表とする「とかち絵手紙の会」の情熱と心意気が、眩いばかりであった。
 「絵手紙」と簡単に言う。「下手がいい」とも。しかし、実は、悩み、つまずき、迷い、絵手紙とつき合っている人も多いはず。病気や多忙と闘いながらかいている人も多いはず。だがいずれにしろ、絵手紙をかくことは、前向きに生きている人に与えられる特権であり、人生を豊かにする伴奏であると思えた。
 津島さんをはじめすばらしい人々にめぐり会い、勇気と感動を与えてもらった。絵手紙とは、交流する人の心のすばらしさがあっての存在であり価値なのだ。そうだ、私はこれからも心をこめて絵手紙をかき、自分なりの絵手紙人生を彩りたい、と十勝晴れの心で帰った。
 「とかち絵手紙の会」のみなさん、ありがとう、又、次の会にもぜひお目にかかりたい。
(『月間絵手紙』平成8年11月号「風のたより」に掲載)